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"すてにゃん" こと id:stefafafan のブログです

リリースバーンアップチャートで見積もりのブレを表現する良い方法について考えている

こんにちは、リリースバーンアップチャート書いてますか?

私は最近仕事のプロジェクトでバーンアップチャート作っていますが、見積もりのブレをいい感じに表現したい気がする、とふと思いました。特に初期の見積もりはこれだけ不確実ですみたいなのが見えると良いかもしれない。ということでGoogle Sheetsでグラフ作ってちょっと考えてみました。

シンプルなリリースバーンアップチャート

簡略化されたバーンアップチャートはこんな感じになります。数字は適当です。これに加えて理想消化ラインみたいなのもあると思います。
ちなみにスコープがプロダクトバックログアイテム全部を見積もったときの数字で、進めていくうちに増えたり減ったりすることがあります。

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シンプルなバーンアップチャート
  • 良い点
    • シンプルで見るべきポイントがわかりやすい、このペースで作り続けるとざっくりいつまでかかるかわかる
  • いまいちな点
    • プロジェクト開始直後はどれくらい精度があるグラフなのかが不明

スコープが複数あるリリースバーンアップチャート

最初に全てのプロダクトバックログアイテムを見積もるときに、最高見積もりや最悪見積もりなど複数の値を出して、それぞれの数字を別々のスコープとしてグラフに描画します。

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スコープが複数あるバーンアップチャート
  • 良い点
    • 見積もりがどれほど曖昧なものなのかが一見わかりやすい
  • いまいちな点
    • バックログリファインメントなどのたびに複数の見積もりの数字を常にメンテナンスする必要がある
    • それぞれのスコープはプロジェクトが進むに連れて正確になっていきいずれ交わると思われるが最終的なグラフの形として何を表しているのか理解が難しそう
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複数のスコープが最終的に交わるバーンアップチャート

予測線が複数あるリリースバーンアップチャート

ここまでスプリントごとのベロシティが一定という想定で予測線が書かれています。これが複数あるというグラフも作れます。

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予測線が複数あるバーンアップチャート
  • 良い点
    • スプリントに慣れていないチームなどベロシティが不安定の間はこれでブレを表現できる
    • 点線で表すとあくまで予測がこれほどブレがありますと表現できて、実績と区別しやすい
      • 最初のうちはブレを大きく表現して、プロジェクト終盤はそれぞれの予測線がほぼひとつに交わる風に作っていけそう
  • いまいちな点
    • 少なくともGoogle Sheetsなどでやるには、trend関数などを駆使して複数線を作る必要があって少し面倒かもしれない

スコープも予想線も複数あるリリースバーンアップチャート

上で書いたことを両方組み合わせたものです。

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複数スコープ、複数予測線のあるバーンアップチャート
  • 良い点
    • 見積もりのブレもベロシティのブレも全ての情報を同時に表現できる
  • いまいちな点
    • あらゆるものを1つのグラフに出そうとして複雑
    • メンテナンスが大変そう

私が思ったこと

  • 見積もりを正確にすることを目的にするのは違う気がする
    • 正確だと確かに嬉しいけど、初期の見積もりはどうやっても不確実になる、時間をかけて正確性をあげることもない
  • スコープは増減可能なので、スコープの線が複数あるのはいまいちで、常に1つで良いと思う
    • 最初のスコープは正確でないかもしれないが、スプリント回してリファインメントをやっていく中で調整していくと良い
  • 「予測線が複数あるリリースバーンアップチャート」が一番直感的で見やすい気がする
    • 今後のスプリントでどれくらいのベロシティが出せると良いか、という点に意識がむきやすい
  • バーンアップチャートがあると何が嬉しいか
    • このままいくとリリース間に合わなそう、となったときに以下のようなことを考える手助けになる
      • スコープを減らす
      • リリースを延期する
      • ベロシティを増やせるように動く (人員を増やす等)

結論

リリースバーンアップチャートで見積もりのブレを表現したくなっても、スコープを増やしたり見積もり精度をあげたりするよりも、ベロシティの予測線を増やしたり、スプリントごとのベロシティの様子を見ていくほうが良さそう。