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『はじめての哲学的思考』を読み "物事の本質" を考え抜く思考を会得する

年末年始に読んだ本の一つとして「はじめての哲学的思考」があります。

この本はタイトルの通り、はじめて「哲学的思考」を会得したい人向けの本です。ただ、自分もそうですが哲学とは「答えのない問題をひたすら考える」というだけのイメージがあり、なかなか日常生活では使いづらいと感じてしまっていました。実際読んでみると、業務でもプライベートでも使えそうな「考え方のポイント」がいくつも紹介されていました。

覚えて帰りたいポイントとしては、「思考の出発点」「欲望相関性の原理」「条件解明の思考」などです(他にも色々書いてありましたが)。

いわゆる「哲学」っぽい議題でなくても、普段なにかを議論するとき(友達との会話でも、Twitter上での議論でも)、それぞれの考えが噛み合わずに永遠に平行線のまま進むことがある。そもそも議題がいまいちで、それぞれベースとなる部分がズレているとか、それぞれの経験や感情から来る思いによって発言してしまっているとか、色々な要因で噛み合わないことがある。しっかりとした「思考の出発点」を定めることこそが大事で、そもそも出発点がいまいちなら議論する意味も薄い。「○○はすべきか、しないべきか」という議題があった場合に、「帰謬法」などを使っていかようにも否定できてしまうのでこういうのはよくない。そもそも第3の選択肢があるかもしれない。

「欲望相関性の原理」とはどういうことかというと、世界が我々それぞれの欲望に応じて姿を表すというもので、人間それぞれに信念があるかもしれないけど、それはもっと言えば「欲望」を言い換えたものとも言える。議論してる相手とお互いにどういう信念及び「欲望」があるのかを深く追求していくと、本当に大事にしたいもの、つまり "本質" がみえてくるはず。お互いに共通で持ってる関心がわかれば、そこから出発して1番良い答えが導き出せるのではという話(先に述べた第3の選択肢と同じ)。

「条件解明の思考」も関連していて、「人間は○○をすべきかいなか」みたいな議題があったとしても、まあこれは帰謬法でいかようにも否定できるがそれだけでなく、「こういう条件ならそうだ」という特定の状況下ではそうと言えるかもしれない。この条件もセットで解明できるとより物事の本質に近づける。

本に書いてあったことのうち大事なポイントをいくつか短くまとめたら難しい感じの記事になったけど、要は「白か黒か?」みたいな話題がTwitterなどで流れてきても、「そんなのどっちとも言えるし、そもそも問題の本質はそこじゃないのでは?」という考え方をしましょうね、という風な感じでした。

ちなみに本も安いのでシュッと買えばいいと思いますが、Webにも本の途中まで連載が掲載されているのでここから読めます。
www.webchikuma.jp